エイコ先生が前置詞を解説します。

前置詞

 

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さあ、今日は前置詞についてお話させて頂くわね。では、マナブ君、前置詞とはいったい何ぞや?

 

マナブ君の画像

前に置くとあるから、何か言葉の前に置かれる品詞のことですか?

 

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まあ、そういうことね。前置詞とは、名詞などの単語や語句の前に置かれ、その語句の補語となったり修飾したりする品詞のことね。なんだか難しそうだけど、分かりやすく言うと、日本語の“に”や“で”に相当し、時や場所、場合や動作、状態等を説明する言葉という訳ね。

 

例えば、
午後6時に公園で待っています。=I’m waiting in the park at 6:00pm.

 

この文章の、inとatが前置詞となり、それぞれ、park(公園という場所)、6:00pm(6時という時間)を表現しているのね。

 

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まずは、時を表す時に使う前置詞から例文を使って説明するけど、今回は少し趣向を変えて、有名な歌の歌詞の一部を使うわね。

 

Wednesday morning at five o’clock as the day begins.

 

この文章は、ビートルズの有名な曲、「She’s leaving home」の冒頭の歌詞ね。“水曜の朝5時にその日は始まった”という意味で、【five o’clock】の前にある【at】が、5時にの“に”の役割を担っているわけね。ちなみに、その後にある【as】も前置詞として使われる場合があるけれど、この文章の【as】は、通常の接続詞ね。

 

In the morning when the moon is at it’s rest,you will find me at the time I love the best

 

これは、ビージーズの「In the morning」の、やはり冒頭の歌詞ね。映画「小さな恋のメロディ」の冒頭に流れる歌としても有名ね。この英文はなかなか解釈が難しいけれど、意訳としては、
“月がまだ残る朝に、私が一番好きな時間に、あなたは私を見つけるでしょう”
文頭の【in】は【朝に】の“に”を表しているのね。その後に出てくる2つの【at】もそれぞれ前置詞として使われているのが分かるわね。

 

これ以外にも、【on,for,after,before】などが“時を表現する前置詞”として使われるのね。もう少し例文を見ましょうね。

 

I buy a flower and return on Friday every week.

 

=私は毎週金曜日に花を買って帰ります。

 

I travel the United States by a schedule for 4 weeks.

 

=私は4週間の予定でアメリカを旅行します。

 

I walk a park after breakfast.

 

=私は朝食の後で公園を散歩します。

 

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一番上は、金曜日にの“に”、次は4週間のの“の”になるのね。で、最後の【after】は少し違って、“後で”を現しているのね。

 

マナブ君の画像afterは、〜の後でなら、beforeは、〜の前にでいいんですか?

 

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そうね。テレビの番組にもあるでしょ?家がリフォームされる前後だから、before afterになるわけね。

 

マナブ君の画像なるへそ。

 

 

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じゃあ、次は場所を表す時に使う前置詞ね。

 

We all live in a yellow submarine.

 

ビートルズのアルバム、“リボルバー”に収録されている、「イエローサブマリン」のサビの一節ね。意味はそのまま、私たちはみんな黄色い潜水艦で暮らしています。ってことね。この中の【in】は、後の黄色い潜水艦にの“で”の部分を担っているのね。

 

I’m just sittin’ on the dock of the bay,Wasting time.

 

これは、オーティス・レディングの大ヒット曲、「ドック・オブ・ザ・ベイ」の一節ね。「dock=ドック」というのは、船舶関係の施設を指す言葉だけど、この場合は船が係留してある波止場的な意味で使われているわね。“オレは湾の波止場に座っている、時間を無駄にしながら”この場合の【on】は〜の上にを現しているわけね。ちなみに、【on】だからといって前置詞とばかりとは限らないのね。例えば、マービン・ゲイの名曲、「What’s going on」の【on】は、前置詞ではなく、副詞として使われているのね。意味は、“どうしたの?”とか“何をしているの?”なんだけど、マービン・ゲイのこの歌の場合は、“いったい、何が起こってるんだ!”と、当時(1970年代初頭)の社会状況に対して、マービンがこの世界にいったい何が起こってるんだと、問題提起をしている歌詞になっているのね。

 

Somewhere over the rainbow.Way up high.There’s a land that I heard of once in a lullaby

 

これは、ジュディー・ガーランドが歌った、映画「オズの魔法使い」のテーマソング「虹の彼方へ」の冒頭部分ね。意味は、“虹の彼方のどこか空高くに子守歌で聞いた場所がある”ね。この“Somewhere over the rainbow”の【over】も“the rainbow”にかかった前置詞なんだけど、【on】が〜の上に(で)の〜に実際に接触しているのに対して、この【over】は、〜の上という部分では同じなんだけど、対象物に接触していない状態を表しているの。この歌詞の場合は、“虹のはるか上のどこか”を指しているわけね。

 

この他にも、【at,by,near,unde】などが“場所を表す時に使う前置詞”なのね。

 

では、いくつか例文を見ましょうね。

 

He was born near the river and grew up.

 

=彼は川のそばで生まれ育ちました。

 

A devil hides under the table.

 

=悪魔はテーブルの下に隠れています。

 

My house is by the beach.

 

=私の家は海辺にある。

 

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【near】と【by】は、どちらも、“そば”や、“近く”、“沿い”などの意味があるのだけど、【near】より【by】の方がより距離が近いときに使われるので、注意してね。

 

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最後はその他の前置詞を説明してこの項を終わりにするわね。

 

This universe was born with a Big Bang.

 

=この宇宙はビッグバンによって誕生した。

 

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この【with】は〜と一緒にではなく、状態を表した前置詞なのね。“ビッグバン”という状態によってという意味ね。

 

She goes to school by bicycle.

 

=彼女は自転車で通学しています。

 

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この【by】は、距離や場所を表したものではなく、手段を現した【by】なのね。彼女は自転車という交通手段を使って学校へ行っているという意味ね。

 

A rocket was flying across a moon.

 

=ロケットは月を横切って飛んでいった。

 

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この【across】は、〜を横切ってとか、〜の向こう側への意味で使う前置詞なのね。【over】と混同しがちだけどよく注意して使ってね。

 

Just between you and me, he is a liar.

 

=ここだけの話だが、彼は嘘つきだ。

 

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この例文で使われている【between】は、〜の間に、~の間ではなどの意味で、between A and Bという語順で表現されることが多いのね。で、この場合のbetween you and meは、直訳すれば「あなたと私の間に」になるけど、英語の慣用表現として、「ここだけの話だが」「内密な話だが」のような使い方になるのね。

 

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さあ、今日はいつもと趣向を変えて、有名な曲の歌詞を交えてお送りしたのね。どうだった?マナブ君。

 

マナブ君の画像少し難しい表現もあったけど、とても分かり易かったです、先生!

 

 

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それはよかったわ。では、今夜の講義はこの辺でおしまいとさせて頂くわね。

 

 

 

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